客席回転率とは

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客席回転率とは

「客席回転率」とは、レストランやカフェなどの飲食店が、一定期間内にどれだけ多くの客を受け入れ、サービスを提供できたかを示す指標で、売上予測を立てる際に重要となります。

飲食店では、
売上 = 客数 × 客単価
で売上予測を立てますが、客数は座席数によって制限があります。100人の席数には1度に100人しか入ることが出来ません。座席数を増やさずに客数を増やすためには、客席回転数を上げる必要があります。

率と書きますが、回数で表示されることが一般的です。客席回転率が5であれば、100人席が5回 回転する、つまり1日の来客数が500人であることを指します。

客席回転率の求め方

客席回転率は、

客席回転率 = 1日の客数 / 席数

で求められます。1日の客数が500人で、席数が100であれば、
500/100 = 5で、客席回転率は5となります。

業種別の客席回転率

客席回転率は、業種業態によって大きく異なりますが、高級業態であるほど回転率は低くなります。

一般的には
懐石・割烹・フレンチ・イタリアン ・バー / 1-2回
カフェ・食堂・ラーメン店・スタンディングバー / 2-8回
ファーストフード系 / 9回以上
となります。

ただし、立地条件や価格帯、競合環境によっても大きく異なります。重要なのは、自社の回転率を正しく把握した上で、上げる余地があるのか、またどのぐらいを目指すのかを決めることです。

回転率を上げる方法

飲食店で回転率を上げる方法は複数存在しています。自社に合う方法を採用し、回転率向上を目指します。

1.メニューをシンプルにする

メニューが複雑な場合、顧客の注文に時間がかかります。またメニューの絞り込みを行うことで、オーダーまでの時間を短縮出来ると共に、調理にかかる時間も減らすことが出来るため、回転率を上げることが出来ます。

2.オペレーションの改善

オーダーを顧客から厨房へダイレクトに伝えるシステムの導入や、支払い計算のシンプル化、支払いシステムの導入等、システム導入によってオペレーション時間の短縮が可能です。

また、空き時間を使った仕込み、バッシング時間の短縮等、スタッフのオペレーション改善による時間短縮と回転率向上も可能です。また仕込み不要で出せる加工品の利用も時間短縮につながります。

3.予約システムを導入する

予約システムを導入することで、待ち時間を短縮でき、席を空ける時間を減らすことができます。

4.店内環境の工夫を行う

極端な例となりますが、立ち食い蕎麦店の回転率の高さは、座ることが出来ない不便な環境が回転率を高めています。居心地の良さとのトレードオフにはなりますが、テレビや雑誌の提供をやめる、椅子の硬さや高さを変える等で、回転率を上げることができます。

これらの方法を取り入れることで、客席回転率を上げることができます。ただし、顧客の満足度や店のブランド価値を損なわないように注意して実施する必要があります。

客席回転率を上げる問題点

顧客回転率を上げることは、ビジネス上プラスとなることが多い一方で、リスクも孕んでおり、以下の問題が生じる可能性があります。

サービスの低下

客席回転率を上げる行動が行き過ぎると、サービスの質が低下することがあります。顧客の不満やクレームが発生し、店の評判が悪化することがあります。

従業員のストレス

従業員側に今まで以上の迅速な動きを求め、従業員にストレスがかかることがあります。長期的目線で見て有効な施策かを考えた上で、実行することが必要です。

顧客の満足度

顧客回転率を上げるための活動は、顧客を急かす結果となりかねません。また回転率向上の裏に、「サービスの不満による滞在時間の短さ」が現れることもあります。回転率が上がっても、結果リピート率が低くなり経営上マイナスとなりかねません。

顧客回転率を上げることは、経営上プラスになることが多いのですが、その結果従業員や顧客が離れてしまっては意味がありません。顧客回転率を上げた時に起こりうるリスクを理解した上で、自社に必要な適切な顧客回転率目標を設定し、顧客満足度の向上との両立を目指しましょう。

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