ミード(Mead)とは、意味

ま行の単語

ミード(Mead)とは

ミード(Mead)は、水、蜂蜜、酵母を主成分としたアルコール飲料です。古代の時代から人類が楽しんできた最も古い発酵飲料の1つであり、世界中のさまざまな文化で発見されています。蜂蜜と水の比率や、発酵時間、添加物によって、ミードは多様な風味やアルコール度数を持ちます。

ミードの歴史

ミードの歴史は非常に古く、最も古いアルコール飲料の一つとされています。ミードの起源は定かではありませんが、おおよそ1万4000年前にさかのぼると考えられています。蜂蜜を使った発酵飲料は、古代の多くの文化で独自に発見され、製造されていました。

例えばアフリカでは、エチオピアのT’ej(テッジ / タジ)が最も古いミードの1種と考えられています。ギリシャ。ローマでも酒宴や贈り物として珍重されていました。

北欧ではヴァイキング時代に戦士にとって重要な飲み物であり、ミードの神話も存在しいます。現在でも牛のツノにいれてミードが提供されることがあります。東ヨーロッパのスラブ文化圏でも、豊穣と幸福をもたらす飲み物とされていました。

ミードは中世を通して人気が続きましたが、砂糖やワインの生産が増加するとともに、次第にその人気は衰えていきました。しかし、近年、クラフトビールや地元産の飲料が再評価される中で、ミードの人気も復活しつつあります。多くの地域でミード醸造所が設立され、さまざまな種類のミードが生産されています。

ミードのバリエーション

ミードは、さまざまなフルーツ、スパイス、ハーブなどの成分を加えることでフレーバーを増やすことができます。これらの追加物によって、ミードは様々な種類に分類されます。例えば、フルーツが加えられたものは「メルヴェル(Melomel)」、スパイスやハーブが加えられたものは「メターギリン(Metheglin)」と呼ばれます。

ミードと神話

ミードは古代の神話や物語に数多く登場します。その中でも特に有名なのは、北欧神話とギリシャ神話におけるミードの登場です。

北欧神話

北欧神話では、詩のミード(スカルドのミード、またはオードルミードとも呼ばれる)が重要な役割を果たしています。この神話によれば、詩のミードを飲むことで、知恵や詩の才能を授ける力があるとされています。詩のミードは、敵対する神族・アース族とヴァン族の和平の印として作られたとされています。

このミードは、オーディンが奪い取り、ミードを飲んで知恵と詩の才能を得たとされています。その後オーディンは人間界にもそのミードをもたらしました。

ギリシャ神話

ギリシャ神話では、ミードは神々の飲み物として扱われることがあります。ネクターとアンブロシアはギリシャ神話において、神々が飲食する不死をもたらす飲み物と食べ物ですが、ミードもまた神々に愛される飲み物とされています。ディオニュソス(酒と祝祭の神、ローマ神話のバッカス)はワインを司る神ですが、ミードも彼の関与する飲み物とされることがあります。

これらの神話は、ミードが古代の文化において重要な役割を果たしていたことを示しており、神々と人間の間で共通の飲み物として楽しまれていたことが分かります。

ミードとハネムーン

ミードとハネムーン(新婚旅行)の関係は、古い慣習と言い伝えに基づいています。ハネムーンの語源は、古代の習慣である「蜜月」(honey month)に由来するとされています。この言葉は、新婚カップルが結婚後の最初の1ヶ月間(1つの月の周期)、蜂蜜で作られたミードを毎日飲む習慣を指します。この期間は、新婚夫婦が愛情を深め、子孫繁栄を祈願する時期とされていました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました