松風焼き(まつかぜやき)とは、表面にケシの実を乗せて焼いた料理です。近年はケシの実の代わりに胡麻で代用することもあります。鶏肉に使うのが一般的ですが、魚のすり身に用いられることもあります。
松風焼きの由来は、平安時代の歌人・在原行平(ありはらのゆきひら)の話を元にした能・松風と言われます。行平は須磨の浦で、松風という娘に恋に落ちるも、行平は都へ帰ることになります。松風はもう行平が戻らないことを知りながらも、一本の松の木を行平だと言い聞かせ、「松風(待つ風)ばかりで浦さびし」と詠んだとされます。
松風という料理は表面にはケシの実がありますが、裏面(浦)には何もないことから、裏(浦)がさびしい=「松風」と名付けられたとされています。松風には裏がなく、隠しことがなく正直な様子から、隠し事なく正直に1年を過ごす、という意味を持たせ、おせち料理等に使われる演技の良い食べ物とされています。
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