エイビアリーとは (Aviary)

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エイビアリー(Aviary)とは

エイビアリーとは、鶏の平飼い方式の一種で、多段式のケージフリーの鶏舎を指します。多段階にすることで、止まり木や巣箱、砂場等を用意し、鶏がリラックスした環境で過ごせるアニマルウェルフェア(以下、AW)に対応した育成手法です。

日本では依然90%以上が、バタリーケージと呼ばれる狭いケージ内で育てることが一般的です。バタリーケージは、鶏が動き回る環境がなく、AWに配慮されていないと言われています。バタリーケージには、エンリッチドと呼ばれる止まり木等を用意した環境に配慮したものもありますが、いずれにせよ十分な行動な広さが確保されておらず、AW観点では問題のある飼育方法とされています。

平飼い方式と、エイビアリー方式について

AW観点で問題の多いバタリーケージ方式に対して、鶏の行動スペースを確保した鶏舎内又は屋外で自由に動き回れる環境で育てることを平飼い方式(バーン方式)と呼び、最も自然に近い育成環境となります。平飼いから生まれた卵は、高品質卵の代名詞であり高付加価値の卵となっています。

平飼いは高品質で売価も高くなる一方で、膨大な飼育スペースが必要となるため、日本での普及は難しいとされています。そんな平飼いの課題を解決しうるのがエイビアリー方式で、多段階のケージを使うことで狭い環境の中でも、一般的な平飼い以上の羽数を、AWを意識したうえで飼育が可能となります。一般的にエイビアリー方式も、平飼いの一種とみなされます。日本では埼玉県のナチュラファームさんが2002年に導入しており、日本初の事例として知られています。

海外での平飼い、エイビアリーの状況

AWへの意識が高い欧州では、2012年より極端に狭いバタリーケージでの飼育を禁止しています。EUに先んじて1981年に全面禁止をしたスイスは、エイビアリーの導入率が高い国として知られています。アメリカでも一部州でAWの観点からケージフリーの義務化がスタートしています。

大手企業での平飼い卵の導入も進んでいます。日本では、高級スーパーでは平飼い卵の扱いが一般的になっていますし、イオンでは2022年よりPB商品であるトップバリュで平飼い卵の全国展開を始めています(バーン方式、エイビアリー方式どちらも取り扱い)。

海外企業では、スターバックス、マクドナルド、ネスレ等も続々とケージフリー(エイビアリー含む)の導入を決定しています。日本企業でも、味の素や日清、明治等の大手企業がAWの方針を発表しておりケージフリー卵の導入が進むと考えられます。

エイビアリー普及の課題

エイビアリー方式は、従来型の平飼いと比べて効率が高い飼育方法ではありますが、バタリーケージと比べると効率は落ちざるを得ません。そのため、エイビアリーや平飼いの卵は価格が高く、どこまで消費者に受け入れられるか未知数です。また、エイビアリー方式の導入のためには初期費用がかかることも見逃せません。その費用も卵の価格に転嫁される形となります。

エイビアリーの他の課題として、鶏の死亡率が高くなる調査結果もあります。こちらも価格に転嫁される要因となるため注視する必要があります。

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