インド中華とは
インド中華料理は、中華料理とインド料理の融合を特徴とし、インド全域で人気があります。中国料理の基本的な技法と調理法にインドのスパイスやハーブを取り入れ、両方の食文化の特徴を融合させた独特な味わいを持っています。
この料理ジャンルは、19世紀にインドに移住した中国人が、中国料理にインドの食材やスパイスを組み合わせることで生まれました。特に、コルカタ(旧カルカッタ)のタンラ地区で中国人コミュニティが形成され、インド中華料理の発祥地となったとされています。また中印国境紛争をきっかけにインド国内から中国人人口が減少し中華料理店が閉店した際に、インドの若者を中心に中国料理を再現する動きが起こり、1970年代にかけインド中華の代表的メニューが発明されたとされています。インド中華に関しては、発祥や歴史が諸説あるため、詳しい歴史は分かっていない部分が多いです。
インド中華の代表的なメニュー
インド中華には、他国には存在しない独自のメニューが複数あります。また、同名の料理でも、調味料や料理法によって異なる味わいとなるメニューもあります。
マンチュリアン (満洲風)
マンチュリアンは、1975年にコルカタ生まれの中華系バックグラウンドを持つネルソン・ワン氏が、ムンバイで発明した調理法です。満洲風という意味ですが、満洲に直接の起源はありません(日本で言うナポリタンのようなもの)。
ニンニク・生姜・青唐辛子に、ガラムマサラを入れるのがインド料理のポピュラーなスタイルですが、ワン氏はガラムマサラの代わりに醤油を入れコーンスターチを入れてとろみをつけ、マンチュリアンと名付けました。一般的に、チキン(チキン・マンチュリアン)やカリフラワー(ゴビ・マンチュリアン)として提供されます。
シェズワン (四川風)
シェズワンは、香港のレストランが1973年にムンバイにオープンしたゴールデンドラゴンで四川料理人が作りだしたものです。四川料理をルーツに持つ味付けではあるものの、インドの調味料を用いており四川で食べることは出来ません。
唐辛子、ニンニク、生姜、トマトソース、酢、砂糖で作られた甘辛いソースが特徴です。魚やチキンと合わせることが多いです。ゴールデンドラゴンのシェズワンソースもレトルトで販売されるほどポピュラーな商品です。
—
マンチュリアン、シェズワン以外にもバスマティライスを使った炒飯(インド中華では英語名でフライドライス)や、チリ、チャプスイ、チャウメン等があり、インド料理でも中華料理でもないインド中華としか表現しづらい味付けとなります。いくつかは日本であれば、東京の西葛西エリアで楽しむことができます。
コメント