バッシングとは (飲食・外食業界)

は行の単語

バッシングとは

バッシングとは、お客さまが使い終えた食器やカトラリー、グラス等のテーブル上に必要ないものを下げる業務のことを指します。適切に行うことで、顧客満足度を上げ、売上向上に繋がる飲食店運営上の基礎的な行為となります。店舗によってはリセットと呼ぶこともあります。

バッシングの語源は?

アメリカでは食器を片付けるスタッフのことを、Busser(バサー)や、busboy(バスボーイ)、busgirl(バスガール)と呼んでおり、そこから転じて食器等の片付けをバッシングと呼ぶようになりました。こちらはアメリカ英語での表記で、イギリスではcommis waiter (コミウェイター)や、waiter’s assistant (ウェイターズアシスタント)と呼ばれ、バサーは通じないのでご注意ください。

バッシングタイミングによる名称の違い

バッシングは行うタイミングによって名称が異なります。お客さんがいる状態で行う「中間バッシング」と、お客さまが帰った後に行う「最終バッシング」に分かることが一般的です。

中間バッシングとは

中間バッシングとは、お客さまがいる状態の時にバッシング作業を行うことです。チュウバシと略されたり、プレバッシングと呼ぶ店舗もあります。中間バッシングの目的は主に、
1. 食器類・カトラリーを回収し不足をなくすこと
2. お食事中のお客さまのテーブルのスペースを確保し快適に使える状態を提供すること
の2点となります。

中間バッシングのポイント

中間バッシングは、お客さまがお食事途中に行うため、誤ったタイミングや方法ではお客様を急かしている印象を与えかねません。そのため、どのタイミングで行うかが重要です。

お客さまが目線を上げ、スタッフを探している時や追加オーダーをされる際は中間バッシングを行う適切なタイミングです。また、料理提供時にスペースを開けると同時に行うことも一般的です。

中間バッシングでは、不足しかねない人気メニューのバッシングを優先する等の決まり事をスタッフ間で共有することも重要です。何を優先するかは業種によってことなりますが、例えば居酒屋であればグラスを優先的に下げることで、グラス不足を未然に防ぐことも出来ます。

中間バッシング時の注意点

中間バッシングを行う際に、お皿を下げて良いか悩むシーンも出てきます。その際には「お下げしてもよろしいでしょうか?」等の声がけを行いましょう。お食事が済んでいることが明らかであれば、「お下げいたします」と声をかけます。

中間バッシングで最も注意しなければならないのは、お客さまに汚れを飛ばさないことです。そのため無理な量を運ばないこと、取りづらい場所にある際にはお客さまにお声がけして、食器を取って頂くことを心がけます。

最終バッシングとは

最終バッシングとは、お客さまが帰った後にバッシング作業を行うことです。最終バッシングの主な目的は、「席を片付けることで、次のお客さまを迎え入れる準備をすること」となります。最終バッシングをスムーズに行うことは、お客さまのウェイティング時間を減らし、顧客満足度の向上と売上向上につながります。

最終バッシングのポイント

最終バッシングは、ウェイティングが発生している時のような混雑時には、いかにスムーズに行うかが重要です。適切に行うためには、スタッフ間での役割分担と優先順位決めが必要となります。

最終バッシング時の注意点

お客さまが席を立った直後にバッシングを行うと、帰りを急かされている印象を与えかねません。お客さまが席を離れ、姿が見えなくなったことを確認してから取り掛かることが重要です。

また最終バッシングは、そのまま次の接客につながります。スピードを上げることで、早くお客さまを入れ回転率を上げることができます。そのためスピードは重要ですが、汚れが残っている状態では問題ですので、スピードと丁寧さのどちらも必要となります。

食器類を下げるだけでなく、お客さまの忘れ物がないかのチェックも同時に行います。お客さまの退店直後であれば、すぐにお返しできる可能性もあるため、早期のチェックを心がけましょう。また、忘れ物の発見時には、時間とテーブル番号を控えておく等の運用ルールを決めておく必要もあります。

バッシング作業途中の注意点

中間バッシング、最終バッシングどちらにも共通しますが、バッシングしている際にお客さまとすれ違うこともあります。その際には必ず立ち止まって、お客さまに道を譲りましょう。

配膳ロボットの普及とバッシングについて

コロナ後から導入が進んでいる配膳ロボットによるバッシングも進んでいます。現在の配膳ロボットでは、お客さま自身によるロボットへの下膳や、スタッフと組み合わせた運用が必要となります。

また、バッシング観点ですと、現在のは以前ロボットの場合は現在利用中の食器が使えない(乗せづらい形状をしている等)可能性も念頭に入れる必要があります。ロボットによるバッシングは、食器の形によっては運搬時の破損リスクもあるため、ロボット導入時には現在の食器が使えるか、使えない場合はどれぐらいの追加コストが必要となるかを念頭におく必要があります。

現時点ではバッシング業務を100%ロボットに任せることは出来ませんが、導入することでスタッフ負荷を下げることは可能です。接客の視点から見た時に、どこを任せ、どこをスタッフが行うかの切り分けを行った上で、作業時間の効率化を検討していきましょう。

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